大判例

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仙台高等裁判所 昭和29年(ネ)167号 判決

控訴会社は「原判決を取消す、被控訴人の請求を棄却する、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は控訴会社において、原判決摘示の被控訴人主張事実中、控訴会社は被控訴人から金員を借受けたことはないし、債権譲渡の事実は知らないが債権譲渡の通知があつたことは認めると述べた外、原判決事実摘示と同じであるから、これを引用する。

<立証省略>

三、理  由

当審証人赤沼重治郎及び遠藤才治の証言により成立を認める甲第一、二号証に右各証言を綜合すると、控訴会社は(一)昭和二十四年九月二日被控訴人より金十一万七千円を弁済期同年十月三十一日、利息は金百円につき一日金十銭の割合と定めて借受けたこと及び(二)昭和二十四年十二月二十七日訴外遠藤功より金十万円を返済期昭和二十五年一月十五日利息金百円につき一日金十銭の割合と定めて借受けたが、その支払をしなかつたので、同訴外人はこの債権を昭和二十八年十二月二十日被控訴人に譲渡したことが認められるのであつて、右認定を左右するに足る何等の証拠もない。

而して昭和二十八年十二月二十六日訴外遠藤功より控訴会社に対し、右債権譲渡の旨通知したことについては当事者間に争がないのであるから、控訴会社は被控訴人に対し右債務二口の各元金及び之に対する各借受当日より完済迄前示約定利息を旧利息制限法所定の範囲に引直した年一割の割合の利息損害金を支払うべき義務あるものといわなければならない。従てこれと同趣旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がない。

なお控訴会社は原審では何等の証拠をも提出せず当審に到りはじめて証人鈴木平一の訊問を申出でたので当裁判所はこれを採用したが、弁論の推移に照し控訴会社に誠実に訴訟を追行する意思があるとはたやすく認め難いふしがあり、一方証人も既に三回も呼出を受け乍ら一度も出頭せずこの間控訴会社と連絡をとつているものとみられるところから推して控訴会社は同証人の出頭を阻止し故らに事件の完結を遅延せしめようとしているものと解するの外はない。かような場合右証人は控訴会社にとり唯一の証拠ではあつても民事訴訟法第百三十九条第一項に従うのが相当と認められるので該証人の訊問申出はこれを却下すべきものとする。

よつて民事訴訟法第三百八十四条第九十五条第八十九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 板垣市太郎 檀崎喜作 沼尻芳孝)

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